外山文治監督の「茶飲友達」を観ました。
この作品は2013年に実際に起こった売春業者摘発事件をモチーフに描かれています。
男も女も高齢者って
高齢者を対象にしたデリヘル業者が軸になって物語は進行します。
主役は、このデリヘルを経営してる女性。
そこに登録している高齢男女会員の心の動きをていねいに描いている作品だと思います。
登場人物はほとんど無名の役者さん達。(私が知らないだけかもしれないけど)
この作品で唯一見覚えのある役者さんは、オープニングで出てきた老人だけでした。
主役の女性は美人で、演技中の表情も良いので、観ていて疲れない。
私は、主役の演技が疲れるもの(観ていてイライラする系)だと、見始めて10分以内に観るのをやめてしまいます。
高齢者の寂しさや居場所のなさなどが、切実な問題として突き付けられています。
ますます高齢化する日本社会にとって、真面目に考えるべき問題として提起しているとも思いました。
禁断の領域に踏み込む
日本だと、「高齢者がセックスしてる」というと、偏見を持たれそうだけど、海外の映画を観てると、高齢者も結構普通にセックスしてるんだよね。
やっぱり、高齢者にも性欲はあるんだろうしね。
あと、性欲ってよりも「寂しいから誰かと触れ合っていたい」ってのもあるんじゃないかな。
年寄りにとってはこっちのウェイトが高いかもしれないてなことを、この作品を観ながら考えていました。
物語の中の高齢者たちは、男性も女性も生き生きとしてるんだよ。
ここの会員になるまでは生きる意味を失ったかのような生活をしていた人が、どんどん元気になっていったりね。
そこそこお金があっても、一人だと寂しいってのはある。
で、できれば異性と裸のお付き合いがしたい。
けど、こんな年齢で風俗に行くのはちょっとハードルが高い。
そんな高齢者にとっては、このデリヘル業者はありがたい存在だったかもしれない。違法の業者だったけどね。
「ちゃんと許可店になっときゃよかったんじゃないの?」って思うけど、どうだろ。
急転直下の終盤
物語はかなり和やかに、ハッピーな感じで進んでいくんだけど、ある出来事がきっかけで警察沙汰になり、組織は瓦解してしまう。
途中まで安心して観ていたけど、終盤の展開は一気に異質なものへと変化してく。
人の気持ちとか態度って急変するよねー。
うんうん、ピンチになるとこういうやつ出てくるよねって、なんか人間のダメな面をこれでもかと思い知らされる。
あんなに仲良かった人が、今はこんな態度取るのか。
人間って自分勝手だよね。
なんかね、色々と考えさせてくれる作品。
「正しいことの延長上に幸せがあるとは限らない」というようなこともこの作品のメッセージかと思う。
有名な役者は出てないけど、最初から最後まで、私は楽しく観ることができました。
興味をもたれた方は、観てみてはいかがでしょうか。


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